ゲームのパック ができたら、配布のためにインストーラを作成しましょう。
ここでは、パック後 から インストーラ作成 までの流れを解説します。

インストーラ作成の準備
実際のインストールパッケージ作成前に、いくつか行っておきたいことがあります。大きくわけて 以下の3つです。
- ゲーム以外の添付物の作成・配置
- ゲームプロパティの設定
- 実行ファイルの編集
以下、それぞれについて解説します。
ゲーム以外の添付物の作成・配置
ゲーム以外の添付物 があれば、パック済みゲームフォルダに追加しておいてください。
添付物としては、例えば以下のようなものがあります。
| 添付物 | リソース例 | 内容 |
|---|---|---|
| 説明書 | readme.txt manual.html | ゲームに関係する関連文書、text / html / pdf 文書など |
| ライセンス文書 | license.txt | ゲームに使用した素材に関する添付必須のライセンス表記物など |
| ユーザー向け おまけ素材 | (各種) | 各種ゲーム関連メディアなど、ユーザーへ一緒に提供したいもの |
各種添付物の配置場所はパック済みフォルダのルート位置、サブフォルダ、どこでも構いません。
注意点として、ここでの添付物は 全てインストール時にユーザーのローカルフォルダにコピーされるものになります
単純に配布パッケージで インストーラと一緒に配布するだけのものについては、パック済みフォルダに入れておく必要はありません(インストーラ内と 配布パッケージ両方に入れておく場合もあるかと思います)
ゲームプロパティ (pix.xml) の設定
次に ゲームプロパティ が配布に適した状態になっているかの確認が必要です。
ゲームプロパティ は 「pix.xm」に書き込まれていますので、これを UTF-8 に対応したテキストエディタなりで開きます。特に以下の項目に注意して ご確認ください。
| 項目 | 確認点 |
|---|---|
| <title> | ゲームのタイトルが間違っていないか、体験版などの表記が正しいか |
| <windowtitle> | ゲームのタイトルが間違っていないか、体験版などの表記が正しいか |
| <save> | folder= の場所が間違っていないか、体験版用/製品用で混同していないか |
| <version> | 100(1.0)未満など、作成中のバージョン番号のままになっていないか 直前のバージョンと同じままになっていないか |
| <debug> | この項目そのものが残ったままになっていないか (この行ごと削除してください) |
| <update> | 開発中のサイトのままになっていないか、URLに間違いがないか |
| <updateinformation> | 開発中のサイトのままになっていないか、URLに間違いがないか |
| <updatefile> | 開発中のサイトのままになっていないか、URLに間違いがないか |
ゲームコンフィグの初期設定
ゲームコンフィグの初期設定は インストーラ作成準備に含まれません。
こちらはゲームのパック前に行っておく必要があります、もし まだ行っていなかった場合は ゲームコンフィグの設定後、再度 ゲームのパッキングを行ってください。

ゲーム実行ファイル (pix.exe) の編集
パック直後の状態では「pix.exe」が開発状態のままになっているはずです。
pix.exe について 「アイコンリソースの置き換え」「ファイル名の変更」は許可されています ので、ゲームに合わせたものに変更しておくのがよいかと思います。
この アイコン変更については、 ResourceHacker などの ソフトによって行えます。また、PIX SCRIPT STUDIO に添付されている「InnoSetup用ISS作成ツール.exe」にも同様の機能がついています。
ResourceHacker
exe, dll などのリソースを変更することができるリソースエディタ、フリーウェア リンク: Resource HackerTM … a freeware resource compiler & decompiler for WindowsR applications

InnoSetup用ISS作成ツール(PIX SCRIPT STUDIO 添付 )
PIX SCRIPT STUDIO と一緒に入っているインストーラ作成補助ツールで、 InnoSetup用のインストーラ作成設定ファイルの出力、pix.exe のアイコン置き換えなどが行える
(InnoSetup という外部ソフトを使うことを前提にしているため 厳密な意味では非サポートのツールになる)

InnoSetupによるインストーラの作成
PIX STUDIO に標準のインストーラというものは 特段ありません。
パック済みフォルダ を展開する機能があればよいので、お好きなインストーラを ご利用ください。
ここでは、弊社でも たびたび利用しております インストーラ作成ソフト「InnoSetup」での作成方法を説明させていだだきます。
InnoSetupの準備
InnoSetup のインストーラは下記URLにありますので、インストールしておきます。
また、日本語文字セットのファイル「Japanese.isl」がないとインストール言語が英語のみになってしまいますので、忘れずそちらもダウンロートして InnoSetup の「Languages」フォルダに入れておきましょう。

InnoSetup は簡易で強力なソフトですが、更に使いやすくする Inno Script Studio などのサポートソフトウェアもあります。
InnoSetup
スクリプト駆動型のインストーラ作成ソフト、対話型のウィザード機能も備えている、フリーウェア リンク: jrsoftware.org // Jordan Russell’s software (http://www.jrsoftware.org/isinfo.php)
言語セット (http://www.jrsoftware.org/files/istrans/)

Inno Script Studio
各種メニューインターフェースで InnoSetup を使いやすくするソフト、非公式ではあるが日本語化ファイルも存在している、フリーウェア リンク: Kymoto Solutions (https://www.kymoto.org/products/inno-script-studio/)

InnoSetupインストーラ素材
インストーラ用に 以下のような素材があることが望ましいです。
素材がない場合には汎用のものが使用されます。
| 素材名 | 説明 | サンプル |
|---|---|---|
| インストーラ用アイコン | ゲーム実行ファイル用に作成したものと同じ物で可 ico形式(マルチアイコンが望ましい) | |
| インストーラ画像 (メイン) | ![]() インストール中 インストーラの左側に表示される画像 164×314 ドットサイズの bmp形式 | ![]() |
| インストーラ画像 (右上) | ![]() インストール中 インストーラの右上に表示される画像 55×55 ドットサイズの bmp形式 | ![]() |
InnoSetupインストーラの作成
あとは各種設定を行ってインストーラを出力するだけになります。
InnoSetup を起動して出てくるダイアログで「Create a new script file using Script Wizard」を選ぶと インストーラの作成ウィザードが起動しますので、順を追って設定していくことで ISSファイル が完成し、それをコンパイルすることで インストーラを作成出来ます。
InnoSetup用ISS作成ツールによるインストーラ作成
上述の通り PIX STUDIO に標準のインストーラというものは存在していませんが、非常に簡易な形でインストーラの雛形を作成するツールが PIX SCRIPT STUDIO に添付されています。この「InnoSetup用ISS作成ツール.exe」を使うことにより、一部のインストーラ作成準備/インストーラ作成作業をまかなうことが可能です。
具体的にはここまでで書いた作業のうち、以下の作業をこのツールで代替出来ます。
- ゲーム実行ファイル(pix.exe)の編集
- InnoSetup インストーラの作成
このツールは前述の InnoSetup を使うことが前提になっていますので、次の作業を使用前に行っておいてください。
- InnoSetup のインストール(言語セットの導入も忘れずに)
- InnoSetup インストーラ素材の準備
以下、流れにそって「InnoSetup用ISS作成ツール.exe」の使い方を解説します。
① InnoSetup用ISS作成ツールの作業フォルダを選択
まず起動するには、PIX SCRIPT STUDIO のインストールフォルダにおいてある「InnoSetup用ISS作成ツール.exe」を実行してください。
起動すると「作業フォルダ」を尋ねてくるダイアログが出てきます。

ここで、出ているメッセージ通りに 開発環境のプロジェクトフォルダ内に「installer」というフォルダ があれば それを選択します。無関係な空のフォルダを指定しても構いませんが、パック済みフォルダやプロジェクトフォルダからあまりに遠いフォルダを選択すると 出力される ISSファイル内の記述が長くわかりにくいものになってしまうので注意してください。
この「作業フォルダ」に 各種設定ファイル や アイコンファイル/インストーラ素材 などがコピーされていきます。
② InnoSetup用ISS作成ツールでパック済みフォルダを開く
起動すると、この画面になります。この状態では特に出来ることはありません。「パック済みゲームフォルダを選択」というボタンだけが使えますので、押して パック済みゲームフォルダ を開いてください。

この際、パック済みゲームフォルダには以下のものが入っているようにしておきます。
- pix.exe(オリジナル)
- pix.xml(編集済み)
- ~.bin データファイル
- ゲーム以外添付物など
③ InnoSetup用ISS作成ツールでインストーラ用データを設定
パック済みフォルダ を開くと 多くの箇所が既に埋まっているかと思います。
まずは赤枠の箇所について、正しいか確認し、空欄を埋めていってください。

必要事項が埋まると赤枠の下にある「ISSファイル出力」のボタンが押せるようになります。
よくあるパターンとしては、「製造年」「アプリケーションID」が空いていて、その2つを入力することで ボタンが解放されます。その2つのボタンには 今年を製造年にするボタン、そして 自動でアプリケーションIDを割り当てるボタン が横についていますので、特に問題がなければ それを利用するのもよいでしょう。
各項目にマウスカーソルをあてると簡単な説明が出ますので、それもヒントに入力を進めてください。
④ InnoSetup用ISS作成ツールでインストーラに含めるファイルを選択
次にインストーラに含めるファイルを選択します。チェックボックスを ON/OFF して選択してください。

この際、セットアップインストーラ を作成している場合には「pix.exe / pix.xml / (ゲーム実行ファイル名).exe」は変更不能になっています。一方、アップデータインストー作成中の場合は「pix.exe / pix.xml」が変更不能です。
⑤ InnoSetup用ISS作成ツールで実行ファイルのアイコンを置き換える
実行ファイルのアイコンを置き換える場合は、赤枠の「実行ファイルICON」ボタンを押してアイコンを選択してください。

選択されたアイコンファイルは 作業フォルダにコピーされ、ISSファイル出力時に アイコン置き換えが行われます。
もし、今すぐ変換を行いたいならば、すぐ隣の「今すぐ置き換え実行」ボタンを押してください。
⑥ InnoSetup用ISS作成ツールでインストーラ素材を設定
インストーラに使う素材の設定には赤枠内のボタン群 を使います。各素材のフォーマットなどは、InnoSetup の素材フォーマット に準拠します。

選択された素材は実行ファイルのアイコンと同じに 作業フォルダにコピーされ、ISS出力時にインストーラに使われる設定になります。
⑦ InnoSetup用ISS作成ツールでISSファイルを出力
あとは、ISSファイルを出力することになります。
基本的には このツールで行う作業は ここまでになります。もし、このボタンが押せない状態になっているときは 以下を確認してください。
- 必要事項が空欄になっていないか
- パック済みフォルダに必要ファイルが抜けていないか
成功すれば ISSファイル は 作業フォルダに出力されています。

ISSを出力時には、同時に次のような処理も行われます。
- pix.xml のバージョンが設定と違っていて置き換え可能そうなときは置き換え
- pix.xml のデバッグ項目が残っているときは削除
- pix.exe のリネームコピー
- pix.exe のアイコン置き換え(アイコンを指定している場合)
処理に関するログは ツール下部の「ログ出力」にありますので、ご確認ください。
あとは、出力された ISSファイル を元に必要な追加があれば ISSファイル を編集して、InnoSetup でコンパイルします。
⑧ InnoSetup用ISS作成ツールで出力したISSを編集する
基本的な機能のインストーラであれば InnoSetup用ISS作成ツール で出力したままの ISSファイルを使って InnoSetup で「Run(コンパイル) 」すれば(あるいは後述のツール上からコンパイルすれば)完成品が出力されます。

ですが、もし インストーラに特別な機能を追加したいのであれば この段階で 出力された ISSファイルに追記や編集を行っておきます。
例えば 以下のようなことを行いたいならば、InnoSetup で割と簡単に実現が可能です。
- 特定の別フォルダにあるファイルをインストールファイルに追加したい
- パーミッション変更して違う権限でインストールさせたい
- インストール時に特定の文書を表示させたい
- アンインストール時に特定のファイルを削除したい
- インストール/アンインストール時に特定のレジストリを操作したい
- 「すぐにゲームをプレイする」のデフォルトでのチェック状態を変更したい
- 簡単なパスワード入力を追加したい
- インストール前(あるいはインストール後)に特定のコマンドを実行させたい
他に以下のようなこともできるようですが、少し表記が難しいかもしれません。
- 「あるソフトがインストールされているとき」など特定の条件でのみインストールが行えるようにしたい
- ユーザに追加の選択項目を表示してそれに合わせてインストーラの挙動を変えたい
- 独自の入力画面で凝ったパスワード認証を行いたい
- 実行ファイルやテキストファイルの内容を元に一部の表示内容を変えたい
実際の表記に関しては InnoSetup の公式ページや 関連参考サイトなどをご参照ください。
Inno Setup 日本語デベロッパーズガイド リンク: sidefeed. Inc. (http://inno-setup.sidefeed.com/)
⑨ InnoSetup用ISS作成ツールでインストーラ作成まで行う
基本的には出力されたISSを元に編集して、InnoSetup でコンパイルしてインストーラを作りますが、このツール上から コンパイルを実行することもできます。
この機能を使いたいときは、右下の欄から「ISCC.exe」のパスを登録しておきます。

「ISCC.exe」は InnoSetup をインストールしたフォルダに入っています。
ISCC.exe を登録した状態で、ISSファイル が出力済みだと 右下の「コンパイル実行」ボタンが利用できるようになりますので、そこから コンパイルを実行してください。
出力したインストーラは作業フォルダの下にフォルダを作って出力されています。






