シナリオ・台本作成 に係る作業は PIX SCENARIO STUDIO で行いますので、ここでは残り2項目、プロジェク作成、プロジェクト共通設定 について ここでは解説します。
プロジェクト作成
スクリプト作業は、各作品ごとの開発環境を作成し その中で行います。この開発環境、そして開発環境の設定を指して(作品)プロジェクト
と呼びます。プロジェクトの作成には 大きく分けて2つの方法があります。
プロジェクト作成ウィザード
これから素材を準備、配置していく状態であれば、
作成方法については、フォルダと外部設定ファイルを参照してください。
作成ウィザードで作成した場合、プロジェクト設定ファイルはプロジェクトフォルダ(標準設定であれば、
プロジェクト作成ウィザード
での環境作成を行うのがよいでしょう。作成方法については、フォルダと外部設定ファイルを参照してください。
作成ウィザードで作成した場合、プロジェクト設定ファイルはプロジェクトフォルダ(標準設定であれば、
ScriptStudioDataフォルダ
)に (作品名).xml
のファイル名で保存されています。
プロジェクト作成ダイアログ
他のプロジェクトからファイルやフォルダをコピーしてきていたりするならば、作成ダイアログからフォルダやファイルを登録することでプロジェクトを作成することができます。PIX SCRIPT STUDIO を起動し、上部メニューバーの
「ファイル」バー
から 「プロジェクトの新規作成」
を選びます。出てきたダイアログの空欄を埋めて、「OK」 を押してください。
各欄には以下の物を入力します。
プロジェクト名
わかりやすい名前をつけてください。ゲーム名などにするのが一般的です。作業者名などを含めるのも良いでしょう。
プロジェクトフォルダ
プロジェクトで使用する「プロジェクトフォルダ」のパスを入力します。欄の一番右にある「…」ボタンを押して、フォルダ選択ダイアログから選択するのがオススメです。
パスリスト
状態リスト
BGMリスト
BGVリスト
アクションリスト
「外部設定ファイル」で用意したエクセルファイル、またはテキストファイルを指定します。欄の一番右にある「…」ボタンを押して、ファイル選択ダイアログから選択するのがオススメです。
エクセルファイルを選んだ場合、その右の欄でシート名も選択しておきます。
ゲームフォルダ
「pix.exe」 や 「pix.xml」 のおいてある「ゲームフォルダ」のパスを入力します。欄の一番右にある 「…」 ボタンを押して、フォルダ選択ダイアログから選択するのがオススメです。
ゲーム画面の解像度などは、このフォルダにある「pix.xml」から設定されます。
ゲーム実行ファイル
「ゲームフォルダ」を選ぶと、そのフォルダの中からexeファイルを検索し、自動設定されます。通常は「pix.exe」です。想定外のファイルになっていた場合、名称が変わっていた場合などは他の欄同様に入力・選択してください。
シナリオフォルダ
シナリオファイルをおいてある「シナリオフォルダ」のパスを入力します。欄の一番右にある 「…」 ボタンを押して、フォルダ選択ダイアログから選択するのがオススメです。
「OK」を押すと、保存する プロジェクトファイル名 と 保存先聞かれます。特に理由がなければデフォルトの「project.xml」のまま、プロジェクトフォルダに保存して問題ありません。
次回からはその プロジェクトファイル を開けば作業を行うことが出来ます。 プロジェクトの設定が終わると最初に自動で素材やシナリオが読み込まれます。
場合によっては、それらの自動読み込みや変換に時間がかかることがあるので、しばらくお待ちください。
プロジェクト設定ファイル の相対パスと絶対パス
基本的にプロジェクト設定は プロジェクト設定ファイルを起点とした相対パスで指定されています。ですが、プロジェクトフォルダと素材フォルダのドライブが別になっているなど大きく離れている場合、絶対パスで作成されてしまいます。
絶対パスで指定されている状態だと複数人でプロジェクトを共有する際には、個別にプロジェクト設定ファイルの調整が必要になりますので、注意してください。
プロジェクト共通設定
プロジェクトを作成した段階でスクリプトの編集作業は可能ですが、いくつかの設定を行っておくことで便利に編集作業を行うことが出来ます。それらの設定のうち、主なものをここで説明します。
この設定は 素材管理担当者 / 演出総指揮担当者 / 担当グラフィッカー or サウンドエンジニア のいずれかの方で統一して行うのがよいでしょう。
まずは、プロジェクトを開いた状態で
この設定は 素材管理担当者 / 演出総指揮担当者 / 担当グラフィッカー or サウンドエンジニア のいずれかの方で統一して行うのがよいでしょう。
まずは、プロジェクトを開いた状態で
設定ビュー
から「素材」のタブを開いてください。
変更の適用
注意点として、各項目は入力/選択するだけでは反映されません。入力/選択後に欄の右にある「適用」ボタン
を押す必要があります。また、「適用」ボタンの左にある「適用範囲選択(この素材 or グループ or 選択項目)」
を変更しておくことで、複数の素材に対して一気に適用が可能です。「素材一覧」
を正規表現で絞り込んだ状態からCtrl+A
で全選択して選択項目
で適用することで、いっぺんに設定を反映させるようなこともできますので、ご活用ください。
BGM設定
左にある素材一覧から、BGMの素材を選択します。素材が多すぎて選ぶのが困難な場合はリスト上部の素材セレクタ を「(全ファイル)」から「BGM」にすると選びやすくなります。
また、スクリプトビューで編集中のパーツに関係する素材について編集したいときは、
スクリプトビュー
のパーツを選択すれば自動でその素材が選択されます。ここで、各種項目について設定してください。
BGMの各種設定については、外部設定ファイル でも同等の設定を行うことが出来ますので、作業体制に合わせて都合の良い方法で行うことをお勧めします。
グループ
この素材の グループ名 です。特に分類分けを行う必要がなければ、全て空欄にしておいてもらって問題ありません。
名前
この背景の名称をわかりやすくつけておきます。名前
この背景の名称をわかりやすくつけておきます。説明
ここにどんな曲か、どういう場面で使う曲か書いておけば PIX SCRIPT STUDIO で表示されます。作業者向けのテキストを書いておくのがよいでしょう。空欄でも問題ありません。
ループ
この曲をループさせる場合は ON そうでなければ OFF にしておきます。デフォルト値というだけで、ツール上で変更は可能です。エンディング曲などはループさせない設定がよいでしょう。
ループ開始位置
ループ設定時のループ開始位置です。サンプル数で入力します。ループ終了位置
ループ設定時のループ終了位置です。サンプル数で入力します。ファイル
この箇所は現在は編集しないでください。
これらの設定は、プロジェクトフォルダの 「bgmsubdata」ファイル に保存されます。
BGM追加時には、追加後 ツール上でこれらの設定を行い、設定済みの最新 「bgmsubdata」ファイル を作業者全員で共有してから編集するようにしてください。
背景設定
左にある素材一覧から、(largeでない方の)背景の素材を選択します。素材が多すぎて選ぶのが困難な場合はリスト上部の素材セレクタ を「(全ファイル)」から「背景」にすると選びやすくなります。
また、スクリプトビューで編集中のパーツに関係する素材について編集したいときは、
スクリプトビュー
のパーツを選択すれば自動でその素材が選択されます。ここで、各種項目について設定してください。
種類
この素材が「背景」か「特殊絵」かなどを設定します。ですが、基本的にはここで変更するのではなく、外部設定ファイルのパス設定で指定することをオススメします。 他、「バリエーション」 を設定することも出来ます。
背景は 同じ 場所に基本的に「昼」「夕」「夜」を1個づつしか持つことができません。
ですが、
「点灯時」と「消灯時」
のように複数の「夜」を持つ背景や、「晴天」と「曇天」と「雨天」
のような複数の「昼」を持つ背景などもあります。そのようなときは、「消灯時」 や「曇天」、「雨天」 の バリエーション を「
消灯時
」「曇天
」「雨天
」などにしておくと、どの背景も使用することが出来るようになります。
時間帯
この素材が「昼」を状態を指すものか、あるいは「夕」「夜」のものかを指定します。一般背景では重要な要素ですが、イベント絵や特殊絵などでは現在特に使用していませんので空欄で問題ありません。
グループ
この素材の グループ名 です。特に分類分けを行う必要がなければ、全て空欄にしておいてもらって問題ありません。
場所
この素材の 場所名 です。同一箇所の時間帯差分などが同じ場所名になるよう、編集してください。一般背景では重要な要素ですが、イベント絵や特殊絵などでは現在特に使用していませんので空欄で問題ありません。
名前
この背景の名称をわかりやすくつけておきます。説明
この背景の説明です。ここにどんな背景か書いておけば PIX SCRIPT STUDIO で表示されます。作業者向けのテキストを書いておくのがよいでしょう。空欄でも問題ありません。
消失点
この背景の 消失点です。あまり厳密なものではありません。消失点を変えると実行時の画面での表示位置が変わったりするので、背景導入時に設定しておき、編集開始後には変更しない方がよいでしょう。
消失点の 「x」 あるいは 「y」 をクリックすると、
サンプルビュー
の表示が「消失点設定モード」になるので、マウスで クリック/ドラッグ することで楽に編集が可能です。「x」「y」の欄の隣にあるチェックボックスをON/OFFすることで、横軸縦軸それぞれ個別にマウスでの変更を受け付けるを変更できます。
もし、背景の縦横比がゲーム画面と違っている場合は 画面内に背景が収まっていなくて、消失点を設定しづらい場合がありますがそういう場合はマウスホイールで表示範囲をズームイン/ズームアウトできます。
背景はデフォルトだと中央合わせで表示されるので、背景の縦横比がゲーム画面と違っている場合は不自然な位置になっている場合がありますが 消失点をある程度設定すると緩和されたりすることもあります。
消失点の横にある「向き」設定は、場面切り替え時にどの切り替えを用いるか、に関わる設定です。
とりあえず、全ての背景で設定しておくことをオススメします。
ファイル
この箇所は現在は編集しないでください。
これらの設定は、プロジェクトフォルダの 「bgsubdata」ファイル に保存されます。
背景の新規追加時には、追加後 ツール上でこれらの設定を行い、設定済みの最新 「bgsubdata」ファイル を作業者全員で共有してから編集するようにしてください。
立ち絵設定
立ち絵の設定については、それが 通常立ち絵 なのか、立ち絵付属物・部分パーツ なのかで設定内容がやや変わります。立ち絵設定(通常立ち絵)
左にある素材一覧から、立ち絵の素材を選択します。立ち絵の場合、素材組み合わせによる立ち絵があると、「(全ファイル)」 ではリストに出て来ません。そのような場合、素材セレクタ を 「立ち絵」にして選択してください。
また、スクリプトビューで編集中のパーツに関係する素材について編集したいときは、
スクリプトビュー
のパーツを選択すれば自動でその素材が選択されます。ここで、各種項目について設定してください。
キャラ
この素材のキャラ名です。服装
この素材の服装名です。同じ服装のものは全て同じ服装名にします。 ポーズ この素材のポーズ名です。同じポーズのものは全て同じ服装名にします。表情
この素材の表情名です。キャラ、服装、ポーズ、表情全てが被ってしまったものがあると、片方しか使えなくなるので注意してください。
ズーム
各サイズ素材のズーム率です。オフセット
立ち絵をデフォルトでどの座標に位置に出すかの設定です。非常に重要な設定になります。 立ち絵導入時に設定しておき、編集開始後には変更しない方がよいでしょう。
オフセットの「x」あるいは「y」をクリックすると、
サンプルビュー
の表示が「立ち絵オフセット設定モード」になるので、マウスで クリック/ドラッグ することで楽に編集が可能です。「x」「y」の欄の隣にあるチェックボックスをON/OFFすることで、横軸縦軸それぞれ個別にマウスでの変更を受け付けるか否かを変更できます。
なお、上記の「ズーム」から 各素材のサイズごとに設定する必要がある のですが、現在 各サイズにおいてX軸の設定は共通になっています。
また、外部設定ファイルのパス設定で指定した「立ち絵デフォルトサイズ」より小さいサイズについては設定は可能ですが、実際には反映されないような仕様になっているので注意してください。
アイコン
こちらは、スクリプトの出力には影響せず、PIX SCRIPT STUDIO 上での表示にのみ影響する設定です。この設定を行うことで、スクリプトビューの編集の際、この素材のアイコン表示でどの範囲を表示するかが変更されます。
立ち絵は表情の変わる顔のアップなどにしておくと便利です。
最初の未設定状態では、アイコンの大きさが 「
0
」になっているので大きくしておきます。その後、アイコンの「x」あるいは「y」をクリックすると、サンプルビューの表示が「立ち絵アイコン設定モード」になるので、マウスで クリック/ドラッグ することで楽に編集が可能です。
窓フェイス
ゲームでメッセージウインドウの顔表示を行いたい場合は必須の設定になります。一番左の選択ボックスでどの素材を使うかを選択した後、倍率を 「
0 %
」 から大きな値に変更します。その後、窓フェイスの「x」あるいは「y」をクリックすると、サンプルビューの表示が「立ち絵窓フェイス設定モード」になるので、マウスで クリック/ドラッグ することで楽に編集が可能です。
付属物
この立ち絵にデフォルトで重ねる付属物です。複数の画像を自動で重ね合わせることができます。この立ち絵に必ずこの絵を重ねておきたい、あるいは ほとんどの場合は忘れず重ねないといけない、などというときはここで設定しておきます。特定の場面でだけ重ね合わせたい場合は、ここでなくスクリプト中で指定します。
ファイル
この箇所は現在は編集しないでください。立ち絵(立ち絵付属物・部分パーツ)
こちらは単独で立ち絵とならない付属物や表情や服装のみを示している素材の設定です。左にある素材一覧から、立ち絵の素材を選択します。
素材が多すぎて選ぶのが困難な場合はリスト上部の素材セレクタ を「(全ファイル)」から「立ち絵素材」にすると選びやすくなります。
また、スクリプトビューで編集中のパーツに関係する素材について編集したいときは、
スクリプトビュー
のパーツを選択すれば自動でその素材が選択されます。ここで、各種項目について設定してください。
キャラ
この素材のキャラ名です。オフセット
重ね合わせて立ち絵を形成するときにどの位置に出すかの設定です。非常に重要な設定になります。 立ち絵導入時に設定しておき、編集開始後には変更しない方がよいでしょう。
オフセットの「x」あるいは「y」をクリックすると、
サンプルビュー
の表示が「立ち絵オフセット設定モード」になるので、マウスで クリック/ドラッグ することで楽に編集が可能です。「x」「y」の欄の隣にあるチェックボックスをON/OFFすることで、横軸縦軸それぞれ個別にマウスでの変更を受け付けるか否かを変更できます。
なお、上記の「ズーム」から 各素材のサイズごとに設定する必要がある のですが、現在 各サイズにおいてX軸の設定は共通になっています。
また、外部設定ファイルのパス設定で指定した「立ち絵デフォルトサイズ」より小さいサイズについては設定は可能ですが、実際には反映されないような仕様になっているので注意してください。
重ね素材
重ね合わせて立ち絵を精製するときに 他の素材と比較して、表に重ねるか裏に重ねるか です。また、透明部分について透明で画像を置き換えるのか、上に重ねるだけか、などの重ね方設定もここで行います。
ファイル
この箇所は現在は編集しないでください。
これらの設定は、プロジェクトフォルダの 「stdsubdata」ファイル に保存されます。
立ち絵の新規追加時には、追加後 ツール上でこれらの設定を行い、設定済みの最新 「stdsubdata」ファイル を作業者全員で共有してから編集するようにしてください。
参考画像を敷いての位置調整
素材の調整のとき、何もない画面上では位置合わせが難しいことがあります。
そういう際は、例えばゲーム画面のスクリーンショットなどを png などの画像にして、エクスプローラなどから素材編集中の画面へドラッグ&ドロップすることで、編集中の画面の下に敷くことができます。
その他の設定
その他、個別に行える設定が PIX SCRIPT STUDIO にはあります。使用メモリ設定
PIX SCRIPT STUDIO に必要な使用メモリは 素材の量や構成に依存し、必要なスタックスレッドはシナリオ構造に依存します。ですのであまりに大きなデータを作成する場合には初期値では読込や出力が出来なくなる場合があります。そのような場合は、ゲームフォルダにある 「
PixScriptStudio.exe.vmoptions
」 を編集することで使用メモリなどを増やしてください。このファイルはテキストファイルなので、メモ帳や 一般のテキストエディタで編集できます。
「-Xmx1500m -Xss10m
-Xmx
」 がメモリー割当てプールの最大サイズ(要2Mバイトの倍数)の設定で、例えば これを 10GB にしたいときは 「10737418240
/ 10485760k
/ 10240m
/ 10GB
」 のように表記します。「
-Xss
」 は 同様に使用スタックスレッドの設定で、これを 1MB にしたいときは 「1048576
/ 1024k
/ 1m
」 のように指定してください。