なお、各種指定は最終的な開発ツールによるものがメインになっておりますので、シナリオ執筆段階での指定が必須というわけではありません。
テキスト表記
基本的にシナリオファイルに書かれたテキストは そのままメッセージウインドウに出力されます。改行・改ページ
テキスト上で改行を行った場合、メッセージウインドウでもそのまま改行されます。更に改行して空行を挟んだ場合、クリック待ちの後 改ページとなります。
同じウインドウ内に改行して表示
私は声のした方に振り返る。↵
……そこに、彼女は居た。↵
↵
クリックして次のウインドウに新たに表示
私は声のした方に振り返る。↵
↵
……そこに、彼女は居た。↵
↵
1ページの文字数・行数
メッセージウインドウ1ページ内に、横26文字:縦3行(発言者名除く) まで表示可能です。1行の文字が溢れた場合は自動で改行され、1ページの行数が溢れた場合は自動で改ページされることになります。
(この文字数・行数は各ゲームごとの設定で変更可能です)
この自動改行については、簡易な行頭・行末禁則処理も行われます。その関係で 書き手の想定した自動改行位置とズレることもありますので、(文章の区切りではない)ウインドウ幅を意識しての文字数合わせ改行を挟むことは お勧めしません。
逆に自動改ページは、文章の途中で行われると見苦しくなることが多いですので、前項を参考に空行を入れ、改ページを適宜行うことを お勧めします。
なるだけ文章の区切り以外での改行整形は行わない
改ページは適宜挿入する
会話文表記
会話文は「発言者名」と「台詞テキスト」で構成され、多くのキャラクター音声が会話文に宛てられます台本化ツールで 会話文にボイス番号を自動で割り当てるため、会話文には独自の表記ルールが決められています。
基本的な会話文フォーマット
前には、発言者名を頭に「@
」をつけて書きます。「@
」をつけないとシステム上で台詞として認識されません。「@
」マークは 全角です。その後に続く改ページまでの
「」
書き部分が対応する台詞テキストとして判別されます。
「」文の前に 発言者名をつけて台詞にする
@閏↵
「晴樹ー、何ボーっとしてんの?」↵
↵
@晴樹↵
「別にボーっとなんてしてない。むしろ、めちゃくちゃ考えてる最中だっての」↵
↵
@閏↵
「そういうの、下手の考え休むに似たりって言うんだよ」↵
↵
「」
でなく()
や『』
を用いても構いません。その場合も発言者名をつけておきます。なお、
「」
以外の開始終了括弧を用いている台詞は台本化ツールで抽出することができますので、音声加工要にリストアップするのにも便利です。
「」でなく()や『』でも OK
@晴樹↵
(……って、今はそんなことどうでもいい。いつリモコンを使うかだよ)↵
↵
会話文の自動字下げ
会話文内で改行を行うと、自動で次行の行頭に「 (全角空白)」が追加されます。考慮の上、執筆ください。
(この自動字下げはゲームごとの設定で切ることも可能です)
表示名変更
前述の通り、発言者名は登場人物名と完全な一致が必要です。ですが、メッセージウインドウに出る 見かけの発言者名(以下、表示名)は 実際の発言者名と別に自由に設定出来ます。
その場合の表記フォーマットは 「
@発言者名/表示名
」 となります。
発言者名と表示名を変える
@いちご/???↵
「どうして、パパ」↵
↵
音声加工指示
台詞に効果などをつけて欲しいときは発言者名の末尾に()
書きで注釈をつけます。()
は全角です。(ドア越し)
や (マイク越し)
(ハウリング)
(浴室内)
など、簡潔に わかりやすく記述してください。
「ドア越し」の効果をつけて欲しい
@いちご(ドア越し)↵
「パパ-!」↵
↵
()
書きにすることにより、その部分は発言者名と認識されなくなり、後々 ツールから()
書きを抽出できるようになります。
表示名を変えた上で「ドア越し」の効果をつけて欲しい
@いちご/???(ドア越し)↵
「どこにいったの? パパ-!」↵
↵
モブの発言者名
明確・確実に音声がつかないとわかっている場合を除き、モブの場合でも同一人物か否かがわかるように 固有の発言者名 をつけて表記しておきます。(表示名は同一でも構いません)固有の発言者名は なるだけ一般名詞を避け、男女の区別がつく名前にしておきます。
× 間違い(同一人物と判断される)
@学生↵
「やめろよ!」↵
↵
@学生↵
「やめなさいよ!可愛そうでしょ!」↵
↵
○正解(男女の区別がつく固有名にする)
@男子学生A↵
「やめろよ!」↵
↵
@女子学生A↵
「やめなさいよ!可愛そうでしょ!」↵
↵
数発言者での同時発声
複数人が同時発声するときには、発言者名を「+」で繋げて表記します。誰と誰が発声するのかを明確にしておいてください。「
+
」は 全角です。
×間違い(誰が発声しているのかわからない)
@全員↵
「いただきまーす」↵
↵
○正解(複数同時発声でもあくまで発言者名で表記する)
@かりん+いちご+みかん/全員↵
「いただきまーす」↵
↵
モブが入る場合も同様
@みかん+クラスメイト女A+クラスメイト女B/みんな↵
「いただきまーす」↵
↵
文字装飾
いくつかの簡易的な文字装飾指示をテキストに含めることができます。これらは、発言者名について行うことは出来ません。文字の大きさと色
各種文字装飾の基本フォーマットは「《装飾される文字:装飾指示》
」です。装飾指示に「
+
/-
」のあと数字を入れると文字サイズの指定になります。
文字を大きく/小さくする
@聖治↵
「《ぎゃあああああああああ!:+1》」↵
↵
// 小声↵
@聖奈↵
「《大声出すなっつーの……:-1》」↵
↵
#
」のあと6桁のカラーコードを入力すると文字色の指定になります。基本文字色は白(#FFFFFF)が多いですが、作品によって異なります。色指定をする際は確認の上で ご指定ください。
文字に色をつける
// <真っ赤なナイフ>の テキスト色を 赤に↵
彼女の手には《真っ赤なナイフ:#ff0000》が握られていた。↵
↵
:
」を用いることができません。その際は「
¥:
」と入力することで、利用することができます。
「:」をエスケープ
// 「1:3」を 黄色に
《1¥:3:#00ffff》それが求める比率だ↵
↵
ルビ文字
「《装飾される文字/ルビ文字》
」でルビ表記が利用可能です。このルビ文字はメッセージウインドウだけでなく該当キャラ担当用の台本にも反映されます。難読や当て字、キャラクター名が初めて出てきた場面等で ご使用ください。
ただ、どうしても 見た目 窮屈になってしまいますので、頻発させすぎない程度での使用がよいかと思われます。
「とある科学の超電磁砲レールガン」のようなルビを振る
「とある科学の《超電磁砲/レールガン》」↵
↵
/
」を用いることができません。その際は「
¥/
」と入力することで、利用することができます。
「/」をエスケープ
これで俺の力の《1¥/2/はんぶん》ってとこかな。↵
↵
外字
特定の「文字指定」 を シナリオ内に入力しておくことで 外字 として 絵文字を表示できます。(この「文字指定」や、出せる 絵文字については、ゲームごとに変更・拡張できます)
外字一覧のデフォルト例
文字指定 | 外字表示 |
---|---|
<ハート> | |
<汗> | |
<怒> | |
<ピコン> | |
<冷や汗> | |
<キラキラ> | |
<もやもや> | |
<涙> | |
<ぷんぷん> | |
<ため息> |
文字変数
一部の登場人物の名前など、ゲームの進行やユーザーの入力によって 変化させたい単語 がある場合、そこは文字変数 としてシナリオに書いておくことになります。文字変数 の基本フォーマットは「
[文字変数名]
」です。 []
は半角、文字変数名は数字で始まらない半角英数字 にしておいてください。変数名が違うと別の文字変数という扱いになります。
主人公の名前を ”CN0” という文字変数にする
@[CN0]/???↵
「え? 僕かい?」↵
↵
@[CN0]↵
「僕の名前は[CN0]だ」↵
↵
コメントと各種指定
ダブルスラッシュ「//
」で、その行はコメントアウトされます。コメントアウトされた箇所は、テキストや発言者名として判別されません。
ダブルスラッシュでコメントアウト
↵
// この箇所はコメント扱いになる↵
↵
コメントアウト指示
メッセージウインドウに出したくはないけれど、物語の理解、音声収録時や 演出で 必要な情報はコメントアウト指示として書き込んでおきます。場面・状況説明
場面切り替え箇所(ファイル冒頭や 場所移動/選択肢分岐後)にシナリオ概要、場所、時間、登場人物、その服装、必要であれば発生条件などを 書いておきます。
場面説明例
//------------------------------------------------------------------------------------------------↵
// ラベル:Ichigo_Study1↵
// チャプター:いちごと勉強イベント1↵
// 人物:いちご(私服)、樹(私服)↵
// 場所:いちごの部屋↵
// 時間帯:夕方↵
// 発生条件:いちご勉強コマンド○回以上↵
↵
細かな演出指示
暗闇で声がした。↵
↵
// 声だけ(フェイスも出さないでください)↵
@かりん/???↵
「あら、いらっしゃい」↵
↵
音声収録に関わる指示
コメントアウトされている箇所も台本上には印字されますので、音声さん、声優さんへの指示もコメントで書き込んでおきます。難読漢字、読み方が複数ある漢字には ふりがなを書いておく
// 出入り:ではいり↵
@かりん↵
「出入りしてるうっ!」↵
↵
感情がわかりにくい台詞には注釈を付ける(前後の流れでわかる場合は不要)
// 照れて怒っている感じで↵
@かりん↵
「何言ってるのよ!」↵
↵
感情の指示例2
// 照れ↵
@かりん↵
「何言ってるのよ!」↵
↵
各種演出指定
ここからは 単純なコメントアウト指示ではなく、一部 自動で処理される指定になります。基本フォーマットは 「//指定:素材名:追加指示
」 です。「:
」は全角です。なお、演出指定で大文字小文字の指定は基本的に無視されます。
演出指定
指定 | 指定 (英字) | 素材名 | 追加指示 |
---|---|---|---|
ラベル | Label | ラベル名(「 _ 」と半角英数のみでの構成を推奨) | |
チャプター | Chapter | チャプター名 | |
回想 | Memory | 回想シーン名 | |
回想終了 | MemoryEnd | 回想シーン名 | |
ジャンプ | Jump | 飛び先ラベル名 | |
選択肢 | Select | 選択テキスト | 飛び先ラベル名 |
背景 | BG | ファイル名 or 背景名 | |
イベント絵 | CG | ファイル名 or イベント名 | |
フラッシュ | FLASH | ファイル名 or 色名 or RGBカラーコード(省略可) | |
効果音 | SE | ファイル名 or 効果音名 |
ラベル名 は ジャンプの飛び先などとして指定します。大文字小文字は区別されません。「
_
」 と「A
~Z
」「0
~9
」の文字(半角)だけ で 作るとデバッグ時に そのままの名前で参照できるので、おすすめです。チャプター名 は セーブ時などに表示されます。こちらは 日本語名で問題ありません。
ラベルとチャプターを指定する
//------------------------------------------------------------------------------------------------↵
// ラベル:Ichigo_Study1↵
// チャプター:いちごと勉強イベント1↵
↵
// ここから先は「いちごと勉強イベント」チャプターになる↵
↵
回想シーンを指定する
// 回想終了の回想シーン名は、混同が起きないような場合は省略可能
// 回想:みかんの初体験↵
~
// 回想終了↵
↵
この 回想開始 ~ 回想終了 までの範囲が ギャラリーの 回想モードで再生されるシーン範囲になりますので、注意して設定してください。
背景を指定する
// BG:公園(夕)↵
↵
イベント絵を指定する(ファイル名指定)
// 各差分に切り替わる場所に、イベント絵の指定を随時挿入すること↵
// CG:mair04b↵
// FLASH:白↵
↵
イベント絵を指定する(差分ファイル名が不明の場合)
// CGの差分ファイル名が未定のシーンには()書きで差分内容を記述する↵
// CG:ev_hum_03(文香差分・表情1、春樹差分・ベース1、汗差分1、愛液差分1、頬紅差分1)↵
↵
効果音を指定する(2回鳴らす場合)
// SE:ノックの音↵
// SE:ノックの音↵
↵
効果音を指定する(バックグラウンド)
// バックで継続してループする効果音の場合は、(開始)(終了)などのコメントつけて明示的に指定する
// SE:チンコのピストン(開始)↵
~
// SE:チンコのピストン(終了)↵
↵
選択肢を作る
// 末尾の()書き部分はラベル名として無視されるので好きに書いてよい
// 選択肢の内容について細かな条件やフラグ指示などがある場合は、近くにコメントアウト指示で書いておく
↵
// 選択肢:国語を選択:Ichigo_Study1_Kokugo↵
// 選択肢:算数を選択:Ichigo_Study1_Sansuu↵
// 選択肢:理科を選択:Ichigo_Study1_Rika(2回目以降選択可)↵
// 選択肢:社会を選択:Ichigo_Study1_Shakai(3回目以降選択可)↵
// この選択肢を通るたびに選択回数をカウントしておく<<選択回数+1>>↵
↵
別の場所にジャンプする
// 次のファイルに進む場合なども これで指定↵
// Jump:Ichigo_Study2↵
↵