ここでは、最も基本的なPNG形式の立ち絵を参考に立ち絵素材について解説します。
立ち絵の出力
立ち絵が完成しましたら、ここにあるようなルールに合わせて開発環境内に出力しておくと PIX SCRIPT STUDIO が自動で読み込んでくれます。種別による出力
立ち絵 は「服装
」「ポーズ
」「表情
」の 3要素で分類・管理されます。作成した立ち絵は、「
服装
」「ポーズ
」の組み合わせごとに 各表情
の画像を出力しておきます。
水着_普.png | 水着_泣.png | 水着_喜.png | 水着_驚き.png |
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また、ポーズ ごとに表情 の種類や数が変わっても構いませんが、各ポーズごとに なるだけ同じ表情があるようにしてあると スクリプト作業時の「
服装の一括変更
」機能を使ったり、ショートカットによる ポーズ変更 を行ったときに編集しやすくなります。
解像度サイズ別複製データ
立ち絵 を アップ/ 標準 / 引き 等で使い分けて演出を行おうという場合には、使用メモリ量や実行速度と 画質の問題を最小限に抑えるため 立ち絵そのもののサイズ違い素材を 複数用意しておくことをオススメしています。 複数の解像度で同じデータを用意しておくことで、PIX SCRIPT STUDIO が自動的に適切な画像を使用したスクリプトを出力しますし、各サイズ間の拡縮率の画像も適切な画像で生成してくれます。いくつ解像度の違うサイズを用意するか、それぞれの大きさ比率をどのようにするか、は 演出方針として どのサイズの立ち絵をよく使うかによって決めてください。よくある サイズ数 としては、「アップ / 標準 / 引き」の
3種類
、「近接 / 近め / 標準 / 遠め / 遠方」の5種類
、「アップ / 標準」の2種類
などがあります。
Lサイズ (100%) | Mサイズ (76%) | Sサイズ (54%) |
---|---|---|
他のサイズ数、大きさ比率 にしたい場合は、プロジェクトの 外部設定ファイル を書き換えておきます。
立ち絵のサイズは、背景に対して複数立てるか、背の高いキャラクターと一緒になったときにおかしい状態にならないか、などを注意して決定してください。
フォルダ構成 と ファイル名
立ち絵素材 のフォルダ構成は PIX SCRIPT STUDIO 外部設定ファイル のパス設定 により変わります。ここでは、プロジェクト作成ウィザード での初期設定パスでは どのような配置になっているかをご紹介します。(パス設定を書き換えれば 好きな配置に変更することもできますので、この構成にこだわる必要はありません) プロジェクト作成ウィザード で作成したときの初期設定では、上記で書いた通り サイズは「L / M / S」 の3種類です。
全てのサイズについて、指定の解像度サイズで出力した画像を配置してください。
服装・ポーズ種別がある場合
これが最も基本的な構成になります。服装 や ポーズ でのフォルダ分けがないので、表情数 が数百個あるなど 非常に多い場合は パス設定 を書き換えたり、後述の表情差分を使う方がよいかもしれません。
Lサイズ | (データフォルダ)/chara/(キャラクター名)/L/(服装名)_(ポーズ名)_(表情名).png |
---|---|
Mサイズ | (データフォルダ)/chara/(キャラクター名)/M/(服装名)_(ポーズ名)_(表情名).png |
Sサイズ | (データフォルダ)/chara/(キャラクター名)/S/(服装名)_(ポーズ名)_(表情名).png |
ポーズの種別がない場合
ポーズ種別がない場合、ポーズの箇所は省略できます。Lサイズ | (データフォルダ)/chara/(キャラクター名)/L/(服装名)_(表情名).png |
---|---|
Mサイズ | (データフォルダ)/chara/(キャラクター名)/M/(服装名)_(表情名).png |
Sサイズ | (データフォルダ)/chara/(キャラクター名)/S/(服装名)_(表情名).png |
複数素材を重ねる
残念ながら、プロジェクト作成ウィザードで出力したままの パス設定 では 複数素材を重ねた立ち絵 には対応していません。ここでは、いくつかの例を出しながら どのように設定と出力ファイルを変更すれば、素材を重ねた立ち絵 を作れるかを解説します。
表情差分
表情差分 を別ファイルで持つことを考えます。別ファイルにすることで いくらかのゲーム容量削減になりますし、場合によっては開発時の編集が楽になるでしょう。
cuteresort/chara/あい/L/水着_普.png
そして、外部設定ファイルの「
あい
」の欄はプロジェクト作成ウィザード での作成直後状態ではこうなっているはずですが
chara\\あい\\(?<size>S|M|L)\\(?<cos>[^_\\]*)_((?<pose>[^_\\]*)_|)(?<exp>[^\\]*)\.png
表情は別のファイルで重ねて作るので、この全身画像には表情 のデータはありません。ですので、パス内で表情部分を示す 「(?<exp> ~)
」の指定を 次のように取ってしまいます。
chara\\あい\\(?<size>S|M|L)\\(?<cos>[^_\\]*)_((?<pose>[^_\\]*)_|)[^\\]*\.png
更に、[立ち絵exp] 列 が元々は空欄でしたが、「.*
」 にしています。これは正規表現で全てに一致を示し、どんな名前の表情 とも組み合わせることを示します。(正規表現がわからない場合はそういう呪文だと思ってください)ここを 例えば 「
喜
」 にしておくと、この全身絵と組み合わされる表情は「喜
」 という名称の表情 だけ、という意味になります。
普.png | 泣.png | 喜.png | 驚き.png |
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画像の重ね方法は
置き換え
や上書き
などのモードがあるので、共通部分を抜き色にした画像でも構いません。
ここでは、これらの表情画像 を わかりやすく 「
立ち絵データ作成の際、PhotoShopの自動画像トリミング機能などで表情毎に自動トリミングしてしまうと、後ほど行う立ち絵の座標位置合わせが大変になりますので、キャラ毎に共通の画像サイズにしておくのがよいでしょう。
また、上記のサンプル画像のように左上端を全身画像と重ねるようにすると、座標位置合わせは不要になりますので この方法もオススメです。(ただし、画像はその分大きくなってしまいます)
cuteresort/chara/あい/L/表情/
」フォルダに入れることにします。外部設定ファイルのパス指定にも 表情画像 を読み込む指定を追加します。
同じキャラ番号の行
を下に追加して 「(?<exp> ~ )
」 だけしか指定していないパスで指定します、読み込ませるフォルダは「表情
」フォルダです。
chara\\あい\\(?<size>S|M|L)\\表情\\(?<exp>[^\\]*)\.png
そして、 これらの表情画像には、表情名だけで 服装名も ポーズ名も ないので、それらを左の列で指定しなくてはいけません。[立ち絵cos] 列 と [立ち絵pose] 列 に 「
.*
」を記入しておきます。これでどんな服装、どんなポーズとも組み合わされるので、最初に指定した全身画像と組み合わせられて、立ち絵として利用出来るようになります。スクリプトに組み込む前に PIX SCRIPT STUDIO で読み込んで座標位置合わせをしておきましょう。
このように画像を組み合わせて立ち絵を作る場合、「服装」
と「ポーズ」
と「表情」
のどれかが欠けた画像同士を組み合わせて 立ち絵を精製します。
このとき、きちんと立ち絵として利用できるのは、「服装」「ポーズ」「表情」
の全てが揃った組み合わせのみであることに注意してください。
付属物
ちょっと変わったものとして、既存の立ち絵 に重ねる付属物
の画像を登録してみます。
cuteresort/chara/あい/L/小物/自撮腕.png
これを 「
cuteresort/chara/あい/L/小物/
」フォルダに入れてみます。これを 付属物 として読み込ませる 外部設定ファイル のパス設定 は次のようになります。
chara\\あい\\(?<size>S|M|L)\\小物\\[^\\]*\.png
ポイントとしては、[立ち絵cos] 列、[立ち絵pose] 列、[立ち絵exp] 列 全てに 指定があります。それらの列が それぞれ 服装名、ポーズ名、表情名 全てと一致したとき(更にキャラ番号が一致しているとき)に、その立ち絵 に対して この画像を重ねることが出来るようになります。こういった付属物の場合、実際に 画像を重ねるかどうかはスクリプト作業の際に
ON/OFF
して指定します。